圧巻

 マンネリ化した行動の中にも、時として大きな感動的な発見があるものだ。
 山陰から遊びに来てくれた若い友人のために、金比羅宮と雲辺寺を案内した。僕は数回どちらも訪ねているのだが・・・・・・・
 発見Ⅰ・・・・・今までそこが最終の目指す本殿だと思っていたのだが、今日本殿の脇からさらに上に登ってお参りするべき社があることを知った。友人と、3月まで同居していたかの国の若い女性二人が、そこまで行ってみると言うので僕も付いていくことにした。麓に残した妻の事が気になったが、今日は友人の接待なので友人の意向を最優先に行動した。ところが歩いても歩いても、いや上っても上っても、その社が見当たらない。そこで降りてくる人に尋ねたら、もう15分くらい歩いたら着きますと教えてくれた。と言うことはさらに30分を要するので、時間と体力の消耗で諦めて降りることにした。でもこの発見は、次回の参拝をより楽しみにしてくれる。紅葉のシーズンには是非、インスタ映え大好きメンバーを連れて行ってみようと思う。
 発見2・・・・・雲辺寺の頂上に専門用語は分からないが、巨大な仏像がある。中には螺旋階段があって一番上(展望台みたいになっている)まで上がれる。以前は、雲辺寺と隣り合わせのスキー場にかの国の女性達を連れてくるだけだったのだが、今日はゆっくりと雲辺寺だけを友人に見てもらうために訪ねたので、その螺旋階段を上がってみた。すると瀬戸内海と反対方向にとてつもなく高い山々が連なっているのが見えた。仏像の下からでは木々が邪魔になって見えなかったのだが、想像を絶する山々が重なりながら続いている。四国山地とかつて習ったような記憶があるが、その名に恥じぬ立派な峰峰だった。雲辺寺がおよそ1000メートルだから、2000メートルくらいはあるのだろうか。あの高さなら、台風の風などをかなり防ぐことも出来るし、あの斜面で雨を落としてくれることもありうると納得した。天災が少ないとかつて言われていた岡山県は、ひょっとしたらあの山々に守られているのではないかと思った。感謝したくなるような圧巻な景色だった。
 単に友人に喜んでもらえればいいと思っていたコース選びだったが、自分にもこうした発見を通して返ってくる。いい休日だった。