ある中学生と話していて面白い話を聞いた。彼女の学校の夏休みの課題がとても減ったらしい。その理由が、塾の課題が多くて学校のまで手が回らないという保護者達の要求だったらしい。まるで笑い話のようなことがあるのだ。この笑い話のような理屈を、その中学生は敏感に読み取っていて、大人の資質に疑問を投げかけていた。
 相手が中学生だということを忘れそうになるくらい、明晰な頭脳を持っている。言葉をあまり選ぶ必要が無い。持って生まれた才能があるのに、どうして夏休みに5時間も塾に行かなければならないのだろう。いくら勉強しても、敵わないやつが皆さんにもいたと思うが、そういった人は生まれついての頭脳を頂いているのだ。だからちょっと勉強するだけで分かってしまうのだ。それを頂いていない凡人がいくら塾に行って勉強してもそんなに変るものではない。いくらかのテクニックは覚えるのだろうが、頭がよくなることとは別問題だ。
 中学生にも見透かされる商業主義に翻弄されている親は、自分の中学高校時代を思い出してみればいい。よく遊んだのか、無理やり塾に行かされたのか。今あるのは塾のおかげか。少なくともこれからの時代を生き抜く子供達に絶対言わせてはいけない言葉がある。「塾のせい」