白人社会では、こういった人を「ヒーロー」と呼ぶのだろう。
 ニュースを何気なく見ていて思わず大きな声をあげた。オーだったのかアーだったのか忘れたが、反射的だった。奇跡と言っていいだろう。2歳の子が無傷で数日間生きていたこと、遠くから駆けつけた老人があっという間に見つけたこと。今年一番人々を喜ばせてくれたニュースかもしれない。
 老人の蓄積された知恵が生きた救出劇だったと思う。老人が立てた予測などをインタビューで知ったが、生きた智恵で、僕ら素人はただただ感心するしかない。山が好きと老人が言っていたが、山をよく知っているのだろう。子供の習性まで口にしていたが、生きた智恵であることを彼自身が証明した。
 老人が何度か命の大切さを口にしていたが、彼を動かしているものはたったそのひとつの理由かもしれない。彼の人生で何があって「命」を強く意識するようになったのかわからないが、生まれ来る奇跡、成長の奇跡を彼自身は感じているのかもしれない。当たり前のことが難しい時代を彼は感じているのかもしれない。
 日本一醜い人間が政界に出てきている県で、日本一綺麗な花を国民の心の中に咲かせてくれた。