志多らの全国ツアー息吹

 3年間実習生として懸命に働いた女性4人に、最後の思い出作りとして「志多らの全国ツアー息吹」に連れて行くことが出来たのは幸いだった。3年の間に色々なコンサートに連れて行ってあげたが、今日のコンサートが彼女達にとってはもっとも上手なチームのものになった。
 それは彼女達の反応ですぐに分かった。いわゆる前のめりで聴き始めた。そして演奏途中の錆びの部分での自然に沸き起こる拍手も堂に入ったものだった。何回かは彼女らが起こした拍手が会場を巻き込んでの拍手となっていた。
 何曲目だったか、今日のコンサートがガラッと変った一瞬があった。それは加藤太陽君のソロが多く組み込まれている曲だった。後の全員がフォローに回るような構成で、彼を一際際立たせていた。それが効を奏して、会場が一気に全員参加型になった。一緒に聴いていたかの国の一人の女性が「わたし、結婚する」と言った。加藤太陽君のことだ。それだけインパクトが強かったのだと思うが、他の方もソロパートを増やすと、もっともっと盛り上がると思う。
 僕は加藤君が和気清麻呂太鼓の頃から聴いているし、奥村唯さんも何度も夢幻の会での演奏を聴いている。恐らく他の方も相当の訓練をつんでいて技量はすばらしいと思う。もっともっとソロパートを多くとって盛り上げて欲しい。和太鼓の醍醐味は一糸乱れぬ全員の打ち方だが、意外とソロパートが受けていることを演奏者側も知ってほしい。
 それからアンコールの時に、吉田彰彦が思い出作りのためにスマフォでも何でも録画していいとマイクで告知した。これは嬉しかった。今まで100回は和太鼓のコンサートに行っているがこんな経験はない。かの国の女性が次から次へとやってくるが、和太鼓を彼女達同志で紹介することが出来なかったが、今日録音したものを拡散すれば、僕の下手な説明なしで理解してもらえる。
 僕が和太鼓が好きだから勝手に押し付けボランティアをしているだけだが、こんなに喜んで又感謝してもらえれば押し付けも許されるかも。来年もまたこのコンサートのためだけに元気でおれたらいいなと思った。それ以外で、同じ望みを唱えることはない。