腰痛

 来るべきものが来たという感じだった。もう1ヶ月以上前から限界かなと思っていたが、僕は来るべきものが来てから慌てるタイプだから、今日もまたいつも通り慌てた。
 この数ヶ月、僕は朝6時から薬を作り始めることにしている。前日の夜間に注文が入ったのを、仕事開始時間から作っていては間に合わなくて、パニックになりそうなくらい時間との競争になる。これでは精神が持たないと思い、早朝、いつもならテレビのニュースなどでゆっくり過ごす時間に仕事をしてみると、その後の営業時間帯がとても楽だった。そこで、方針を変えて、早朝から3時間漢方薬を一人でマイペースで作ることにした。
 そうすることにより心は随分と余裕が出来た。慌てて動悸がすることもなくなった。ところが連続で13時間ほぼ立ちっ放しになることから、腰にかなりの負担がき来始めた。そして直近ではふくらはぎ辺りが異状にだるくて、腰が限界だなと感じていた。そして今朝のこと、物を拾おうとして激痛が背中に走った。ただ今回は筋肉部分に壁痛が走り、腰骨部分ではなかった。だから這うことは出来た。立てることは出来ないが、横になっていれば痛くもなかった。この年齢でも薬局の中では結構役に立っているらしくて、それからは自分を責める時間だった。階下に降りて僕しか出来ないことをやりたかったがなかなか痛みがひかない。経験的にこうなると数日回復にかかるから、申し訳ない気持ちで一杯だった。それから数時間、僕の知識内で出来る限りのことを挑戦してみた。すると運のいいことに、お昼頃、もの伝いに歩けれるようになり、夕方には直立不動なら何にもさばらずに歩けれるようになった。かつてこんなに早く回復することはなかった。僕の持病はけっこう有名で、年中行事だったのだが、今回は口に出さなければ皆さん気がつかないかもしれない。薬局に来て「お大事に!」と病気の方のほうが気遣ってくれるのは僕の薬局くらいなものだが「「痛いものは痛い!」と僕は居直る。ただ、今日の経験は、又一つ腰痛が得意な薬局をグレードアップしてくれるかもしれない。