増殖中

 アホノミクスを筆頭に政治屋の下劣さは枚挙にいとまないが、庶民のこの低落振りは想像を絶した。見たくないものの筆頭を今日見た。馬鹿政治屋でも、裏街道を歩く人間でも、ここまではしないだろう。
 3ヶ月の応援部隊の思い出作りに広島を案内してきた。もっとも、僕の漢方研究会の実益も兼ねてだったから、そんなに褒められたものでもないのだが。ついでといえばついでで。
 全て順調に計画通り進んだが、昼食に立ち寄ったお好み焼き屋であまりにも下劣な行為を見てしまった。店は駅ビルにあるから混雑していた。隣の席は姉と弟か、母親と息子かあまり見なかったからどちらか分からないが、食べなれた感じで一番高いお好み焼きを注文して食べていた。彼らが去った後、片付けに来た店員が白いビニール袋に入った化粧箱みたいなのを見つけて、僕のものかどうか尋ねた。僕のものでないと答えると店員は僕が「今の人が忘れたんだ」と言うよりも早く駆け出して後を追った。混雑している駅ビルで見つけられたら大したものだが、案の定ビニール袋を持って帰ってきた。僕が「やっぱり見つけられないでしょうね」と言うと、店員は「これはゴミだそうです」と言った。いつからか日本人は家庭のゴミをコンビニやスーパーのゴミ入れに捨てに行く人種になったみたいだが、ついに食べ物屋にもゴミを置いていく人種になったみたいだ。恐らく家の中は綺麗なのだろう。しかし他人の優しい心を踏みにじっても平気でおれるくらい、心の中はゴミだらけなのだろう。自分の家にゴミを捨てられたらどう思うのだろう。まるでゴミのごとく成り下がったあの2人は、恐らく近い将来を予言している。つまらなくて下劣な日本人がどんどん増殖中だ。