大病

 僕の年齢で中堅どころだから、如何に僕が事務方をしている漢方研究会が高年齢化しているかよく分かる。僕が30歳を過ぎて研究会に入れてもらったころ、既に先輩たちは10年以上漢方の勉強をしていたから、その年齢構成もうなづける。この僕でも既に30年以上漢方薬の勉強をしているのだから。
 僕が会に入れてもらった頃は毎月勉強会は行われていた。もう10年以上前に隔月に変った。そして今年度からシーズンに1回になった。先生も教えてもらう僕たちも会に出席するのに一苦労するようになって来始めたのだ。薬剤師なら元気、漢方薬を勉強していたら元気ならいいが、健康の条件は無数にあり、むしろ薬剤師や漢方がその邪魔をすることさえある。僕の先輩の中にも難しい相談を抱え、自分の身を滅ぼした人もいる。それを見ていた僕はなるべく分不相応のことはしないように心がけているが、それでも年齢とともに知識も経験も増してくるから、できることが増え、難しい相談も受けることが多くなった。
 今朝の僕の体調不良は、首の痛み。運よくそのほかはなかった。だから勉強会も3時間、集中を切らすことはなかった。そして帰宅してから腰痛。午前中教会で堅い椅子に腰掛けていたのと合計すると6時間近く腰掛けていたことになる。そのおつりが来たのだろう。漢方の講義の時に先生もある痛みを抱え、痛み止めを飲んで新幹線でやってきてくれたことを知った。会長の先生は、めまいに最近悩まされ、めまい止めを飲んで電車でやってきてくれたことを知った。他にも欠席者の安否を尋ねるようなこともあった。ほぼ満身創痍状態でもなお患者さんを治すための勉強をする滑稽な集団だ。僕は先生に「自分の体調不良のおかげで謙遜を学びました」と言った。先生も頷いておられた。
 謙遜を全く知らないアホノミクスを始め政治屋どもには、せいぜい大病を患ってもらったほうがいいのかもしれない。そうすれば日本も住みやすくなる。