公務員

 僕は手ぶらが好きだ。訪ねる時も訪ねられる時も、何もないのがいい。もし貰ったら何かお返しをと思うから、なるべく貰わないのがいい。後のことが面倒なのだ。もしこちらから何か上げると、何か返される事になる可能性がある。その可能性が又僕には負担だ。持って行ったばかりに余計な気遣いをさせてしまったのではないかと後悔する。だから何もやり取りがない手ぶらがいい。少しばかりの心があれば十分だ。
 このように、割と自由に暮らしてきたから、今日来た人の習慣は理解できないし、そういった組織に属していなくて良かったと思った。その女性は公立のある組織をこの3月で定年退職した。そして今日は疲れたというから退職したのに疲れるのと茶々を入れてみた。するとその女性は、今まで関係していたところに手土産を持って挨拶に回っていたんですと答えた。挨拶に回っていたところは勿論彼女が40年くらい勤めたところだ。公務員はいろいろなところに回されるから、40年間でかかわったところ全てにて土産を持って回っているらしい。挨拶回りは肉体疲労のほかに、実は結構、出費になるとも言っていた。「私の時にその風習をなくしたいけれど嫌われる必要もないから、風習に従った」と言っていた。廃止してもいいような習慣だが、自分がその廃止の旗振りになることは抵抗があるらしい。
 テレビであの佐川急便が嘘のつき放題をやっていたが、上級公務員でも哀れなものだ。東大まで出てと思うが、受験勉強ばかりで奇問難問は解けるが、世間の常識や良心や正義の問題は解けないらしい。解けないというよりそもそもそんな問題に接したことがないのかもしれない。試験に出ないことはトンと分からないのだろう。僕の友人は2万円盗んで刑務所に入った。佐川急便やアホノミクスは一体いくら国民の金を盗んだのだ。2万円で1年半入ったのだから、あいつらは打ち首獄門で丁度つりあう。