環境対策

 調剤用の漢方薬は500グラムのプラスチック容器に入れられている。僕は主に台湾製漢方薬を使い、その会社で作っていない処方は日本のメーカーのK社の物を使っている。ブシと言う特殊な生薬が入っているものは日本のS社の物を使う。今回はテーマでないから敢えては述べないがT社の物は絶対使わない。もっとも医者はほとんどT社だから保険調剤用には少しばかり在庫しているが。
 さて、最近気づいて意外だった事がある。と言うのは、日本ではゴミの分別が盛んだが、台湾のほうが繊細だということを見つけたのだ。僕は日本の製品は分別に対応しているものと疑いもしなかったので、空になった漢方薬の容器は、外側を覆っているビニール袋を剥がし、ボトルに貼っている商品名などを書いたラベルを剥がし、説明書を取り出し捨てていた。ボトルとビニール袋は埋め立てゴミに、ラベルと効能書きは燃えるゴミに。ところがある日ふと確認しておこうと思って初めて例の、矢印が二つ書かれた、そしてプらと書かれた循環を表すマークを探してみたら、台湾の容器には表示されていたが、何と日本のメーカーには無かった。以前から台湾の容器に張っているラベルはのりがとても少なめに使われていて、綺麗に簡単にはがすことが出来ることに気がついていたが、やはりあれもまた環境対策だったのだ。日本のメーカーのは完全にはがすことが難しいくらい糊付けされている。いつか日本のメーカーの人間が来たら教えてあげようと思っていた矢先だ。
 このことに気がついてから、日本の容器は中身が空になれば燃えるゴミとして全部捨てている。簡単でいいが、もったいない気がする。ほんの少々の心配りで環境問題にも貢献できるのに。
 こうした小さな発見だが、日本が他国に比べて優れていると錯覚させて、自分達の本質を覆い隠し、やりたい放題をしている政治屋や鬼業家が闇の世界で、いやいや堂々とお天道様の下で悪の限りを尽くしていることに結びつけて考えなければならない。日本一汚い男が美しい国などとうたうのだからこの国がアイツに食い尽くされる。