誇大広告

 薬局製剤と言う、薬局にだけ許されている薬を作る免許を父の代から持っているから、現在は3代目の娘が中心になって色々な薬を作っている。おかげで我が家には、武田薬品大正製薬も、ましてテレビで宣伝している小林何とかとか興和何とかなどは必要ない。後者2つの製薬会社は健康食品業界と同じ誇大広告だろうと思うが、そこは疫所とつながっているのか違法すれすれ状態が許されている。もっとも政治屋がそもそも違法状態すれすれをやっているのだから同じ穴の狢もいいところだ。
 薬局製剤には途中の問屋も入らないから、1000円でほとんど買ってもらえる。多くのトラブルが我が家では1000円前後で片がつく。それなのにこの老人は、「よく効くけど保険が利かないから」と言って長い時間娘婿と話している。僕は調剤室にいたので話し声だけ聞こえていたが、忍耐の限度を越えたのか娘婿が僕に振ってきた。
 話を全部聞いていた訳ではないので、出て行っておよそのことを聞くと、ヤマト薬局の便秘薬は気持ちよく出て、便の色まで黄色になって嬉しいそうだ。ところが病院でそのことを言うと医師が不機嫌になって、よその薬を飲まないようにと諭したらしい。そこで代りに出された便秘薬を2種類飲むと、便がドロドロになり色も真っ黒らしい。ヤマト薬局の薬を飲みたいけれど、医者の手前もあるし、保険が利かないこともあるしで、悩んでいたらしい。そこで僕が呼ばれたわけだが、ここまで聞けば僕の答えは簡単だ。「御主人みたいな大金持ちが、それも90歳を過ぎてお金のことを言ってはおえん(だめ)。自分の体のことだけ考えたら!」と言うと「先生が声を荒げるとは思わなんだ(思わなかった)」と言った。僕は大きな声を出したわけではないが、老人には予想外の答えだったらしい。何か慰めの言葉でも待っていたのか、僕はお金に汚い人は嫌いだから、慰めたりする気はない。満足に食事も摂れない家庭がどんどん増えているのに、千円のものも保険で飲もうとする根性が許せない。その家の農地たるや都会の人からしたらありえない広さだ。そんな家にまで、なけなしの金で保険料を払っている家々のわずかばかりの蓄えを移す必要はない。票欲しさに優遇された人間たちが無意識に同胞を苦しめている。恐らく多くの分野で同じようなことは行われている。
 

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