よくもこれだけ不調の人間が集まったものだと感心するのが、僕が事務方をしている漢方の研究会だとしたら皮肉なものだ。僕のトラブルなどかわいいものだと思えるほどだし、ある男性薬剤師の話を聞いていたら涙が出そうになった。
 僕が年齢構成で言うと真ん中くらいと言うと、どれだけ高齢化しているのかと思うが、日本の実情どおりの構成をそのまま反映している。だから、不調があっても当然だし、薬剤師の性として、自分は二の次と言うのが身についているから、なかなか検診など受けない。僕など二の次どころか百の次、千の次だ。何かの病気になって初めて慌てる。ただそれが取り返しのつくものならいいが、時に取り返しがつかないこともある。僕の研究会でも亡くなった方が数人おられる。特に優秀な方々は、優秀ゆえ難しい患者さんをお相手することが多く、緊張を強いられたのだろう、
 希望に燃える祝いの新年会で、出るのは体調不良の話ばかり。研究会の先生の話を聞いていても、僕のことを言っているのかと思うほどだった。おそらく会員の多くもそう感じたに違いない。講演を聴いていると、その内容を是非試したいと患者さんの顔が本来なら多く浮かぶのだが、自分が漢方薬投与の対象みたいで、いつもより身が入る。