本物

 こんにちは、Change.orgのハリス鈴木絵美です。大和さんは、日々、ニュースを読んだり、家族や友達と話している中で、「日本って、本当にこのままで大丈夫なのだろうか?」と心配することはありませんか?私は、たくさんあります。そして多くの重要な課題に対して、みんなの意見が反映されずに、様々な決断が進められてしまっていることに対して、率直な疑問を抱いています。当事者の実体験が反映されていない法律。市民の生活に寄り添えきれていない行政や組織。利益を上げるためなら、傷つく人がいても構わないと思えるような振る舞いの企業。先進国であるはずの日本でなぜ、私たちが生きている現実と、政策やルールや風習の間に、こんなにもギャップが生じてしまっているのか。

 夕方届いたメールだ。この文章だけ見たら、僕と日曜日の朝コメンテーターとして登場するハリス鈴木絵美さんとが知り合いみたいに思えるが、残念ながら面識はない。ただ、僕は何かのきっかけでChange.orgを知って時々目を通す。クリックひとつで主張に賛同できるから、よい意見には賛同のクリックをする。今日このメールにハリス鈴木絵美の写真が添えられ、彼女の経歴が載っていた。なんだ、Change.orgは彼女が主催していたのかと初めて知った。テレビのコメントはおおむね受け入れられるものが多かったが、これで納得した。  それにしても大したものだ。静かで知性的な意見の発表の場だが、それが熱量を生み出し、世の中を改善したりする。まだその力は小さいが、少しずつ成長しているのだろう。暴力を使わなくても世の中は変えることができるといずれ証明して欲しい。どこまでが名字で、どこからが名前かわからないが、彼女が真摯にこの国の先行きを心配している事だけはよく分かる。まさか江戸時代にやってきたハリスの子孫ではないだろう。座右の銘が「せいてはことを子孫じる」いやいや「せいてはことを仕損じる」かのごとくのスピードだが、本物になるにはそのほうがいいのかもしれない。