過敏性腸症候群

 過敏性腸症候群IBS)症状を訴える患者を、一般の診療所で1年間で、どのくらい診たかのアンケートを1000人近いお医者さんにしたデータを見た。それによると全くそのような患者が来なかった診療所は16%、10人以内は55%、50人以内は23%、100人以内は3.3%、100人以上は2%だった。意外と過敏性腸症候群の患者は診療所を訪ねないんだと思った。僕みたいな田舎の薬局でも2%の部類に入るのだから、そもそも一般の診療所は患者が選択する対象に入っていないのかもしれない。コメントも寄せられていて3番目のような本心を知ってしまうと、門を叩く気にもならないのかもしれない。ただし、5番目のような先生だと親近感が増し、敷居は低くなるかもしれない。ただし、まだ本人が治っていないのだから不安で、その先生にかかる気にはならないかもしれない。  今度、便秘型の患者に効果があるといわれる薬が出るらしい。データが発表されていたが40%くらい効果があるらしい。たった40%で大々的にメーカーは宣伝しているが、便秘で40%と首を傾げてしまう。下痢型も便秘型もそんなに難しくはないから。  過敏性腸症候群で本当にお役に立てるのはガス漏れタイプだろう。時間がかかろうが、ペースを乱されようが、その人たちの生活の質の落ちようは相当なものだから、何とかお手伝いしたい。こちとらは青春時代からペースは乱れっぱなしだから、今更乱れてもたいしたことはない。そんなことを憂う時間があれば、アホノミクス他の政治屋の道徳の乱れを憂う。

●メンタル疾患が背景にあると思い、その系統の薬をそれとなく勧めるのですが、本人の同意が得られず、決め手がない状態です。(40代診療所勤務医、循環器内科) ●症状にこだわらないように指導している。(50代勤務医、一般内科) ●IBSの患者は問診に時間がかかり、ペースを乱されるので敬遠したい。心療内科や精神科の先生は本当に偉いなあと痛感する。(50代開業医、一般内科) ●患者さんは職場の理解が得られず、仕事を休みにくいらしい。「いっそ、潰瘍性大腸炎の方がよかった」と言う方もいた。(30代 勤務医、一般外科) ●私自身がIBSで、極端な場合、毎食後に排便します。特に美味しいもの、普段食べない高級なものを食べた場合は100%です。宴会 などで苦労します。(60代勤務医、一般内科)