スヴェトラーナ・アレクシエーヴィッチ

 40代や50代でも、嗅覚が鈍くなることは早期死亡と関連することが新しい研究で示唆された。ストックホルム大学心理学准教授のJonas Olofsson氏らの研究で示唆された。この研究で、中年期以降に嗅覚が鈍くなった人は10年以内に死亡するリスクが20%ほど高いことが判明した。同氏によると、「嗅覚は脳の老化をよく反映しており、“坑道のカナリア”のように鋭敏な指標となる。

 ハッとした人もいるかもしれない。僕も今まで何人か臭わない人の漢方薬を作ったことがあるが、上記のような知見に接していなくてよかった。何となくこんな知見を心に秘めながら薬を作るのはいやだ。常に希望を持って作りたい。ただし、このような知見に触れると、そうならないように考えるのも僕達の仕事だ。そもそも臭わなくなるには、その基礎にある体の変化があるはずだ。それを補って臭うようになる漢方薬を作るのだから、そのことによって死亡するリスクを低くすることは出来そうな気がする。腰痛の患者に痛み止めを飲ませるのではなく、血流を回復させ自然治癒をもたらす漢方薬を作るのと同じだ。  嗅覚は失ってから気がつくものだろうが、心配しすぎの方に安心材料を。「食べ物の風味には嗅覚が関与するため、食事がおいしいと感じられるなら問題はないだろう」だって。  高齢になると何割かの方が嗅覚の衰えを感じるらしいが、この国の人間が本当に嗅覚の衰えを危惧しなければならないのは政治に対してだ。食事がまずくなるくらいならまだ命まで捨てずにすむ。ところがアホノミクスや太鼓もちの疫人どもの、庶民を馬鹿にした態度が止むところを知らない現状では、早晩北朝鮮と同じ国になる。もうアホノミクスと北の将軍様が同じに見える。いずれ壇上のアホノミクスにマンセーを叫ばされるのか。ノーベル文学賞を受賞したスヴェトラーナ・アレクシエーヴィッチが「抵抗しない日本人」に驚いていた。原発で多くのものを奪われてなお、抵抗しない日本人。本当は弱者にしか強くなれない臆病な国民なのかもしれない。