外来語

 富士山の土砂?何でそんなものがここにあるのだろう。神の山だから、大雨で流れた土砂を小袋に入れ売っているのだろうか。それにしては軽いし、包装が中身とは似つかわしくなく、金色のセロファンに富士山のイラスト入りで、神々しさに欠ける。富士山と言う漢字も使わずに、英語でMount Fujiと書かれている。おまけに土砂と言う字も漢字を使わずにカタカナでドシャと書かれていた。金色の包装を使いカタカナで書けば全てモダンに見えて新しいユーザーをつかめると思っているのか。金色もカタカナも汎用され食傷気味だ。まして土砂で流れてきた土を売るだけなのに。  誰か富士山に行ったの?とスタッフに尋ねてみると、富士山に行って買ってきたものではなく、娘婿の実家のお土産らしい。そしてよくよく見て見ると、土砂と言う字の前にラングと書かれてある。ダンプの土砂?かと一瞬考えたがよく見てみると小さな字で「はちみつクッキーとバター風味のチョコレートの」と但し書きがあった。一体これは何なのだと娘に尋ねてみると、クッキーみたいなものと教えてくれた。クッキーならクッキーと書いてよと言いたいが、よく分からないが国によって呼び方が違うらしい。初耳、いや初目のものだったので全く想像がつかなかったが、これで又覚えなくても良いことを覚えそうだ。  ややこしや、ややこしや、外来語はややこしや。ややこしやややこしや、働きづめの日本人が媚を売り売り物も売る。休暇と財布に糸目をつけぬ外来種に媚を売る。金のためなら魂の一つや二つ外来種に踏みにじられてもかまわない。ややこしやややこしや。美しい日本を標榜するアホノミクスが外来種を呼び寄せて鼻高々。ややこしやややこしや。道の真ん中を闊歩する外来種に押しのけられる日本人。ややこしやややこしや。金持ち外来種に貧乏同胞。どちらを向いているのかわが同胞。ややこしやややこしや。