予算

 コースによってこんなに影響が異なるのかと、対象は何に対してか分からないがとにかく感謝したいくらいだ。胸の辺りの深さまでの浸水を経験したことがあるから台風はトラウマなのだが、今回も幸運にも岡山県には影響が少ないコースを取ってくれた。おかげで雨はまあまあ降ったが、風は木の葉を揺らすほども吹かなかった。強風域の円内には十分入っているのに、何故か無風状態だった。これまた四国山地のおかげなのだろうか。もし広島に上陸のコースだったらこんなに台風が通過するときに穏やかに過ごすことは出来なかっただろう。  ただこの程度の雨でも、同じ市内の隣町では避難勧告が出た。わずか半日降っただけでそんな勧告が出るのかと思ってしまう。役所の過剰反応か自然の水を蓄える力が落ちているのか分からないが、情けない気がする。昔はこんなに詳細な予報が出なかったから無頓着だったのかもしれないが、雨降り2日目にして避難準備や勧告が出るのだろうか。もう20年位前、いやもっと以前だっただろうか、一度だけ牛窓で山が崩れたことがある。その時は大粒の雨がとにかく止まなかった。1週間以上降り続いたと思う。経験がないことで最後のほうは恐怖で山ばかり見ていたが、牛窓の山の限界を知ったような気がして、その記憶は子供達にも一応話して聞かせている。いたずらに恐れることはないが、1週間も雨が止まなかったら危険と判断するように言っている。  ナルシシズムの権化みたいな奴が今政権を汚しているが、そいつに自然の恩恵を受けるがゆえに自然の脅威にもさらされる土地に住む人間のことは理解できない。自然を守り、自然に守られる、そんな関係を築く事に予算は使って、人殺しの武器や自然破壊のコンクリートには使うな。