重み

 「こちらでは旧盆に向けてエイサーの練習のため、あちこちから音楽が聞こえてきて夏本番という感じですよ・・・」  漢方薬の注文のメールに何気なく添えられていた文章だ。「あちこちからエイサーの音楽が聞こえる?そこは天国か?」と尋ねたくなる。僕はエイサーの演奏はまだ実際には聴いたことがない。インターネットで時々探してみるが、見つからない。僕は太鼓を打ちながら、足を大きく外に振る動作が好きだ。いつ誰が考えたのか知らないが、なかなかユニークな動きだ。少年少女が足を大きく上げ踊りながら太鼓を打つ姿はこっけいと言うかほほえましい。本土の和太鼓のように、寸分の狂いもない仕草や音を求めるようなことはなく、ゆっくりとした動きとおおらかな太鼓の音が沖縄の人たちにふさわしい。太鼓1つとっても本土との明らかな違いが、かの地がもともと独立国であることを示している。誰にどんなメリットがあって今のような関係になったのか知らないが、もったいないと思う。独自の言葉や文化がまぶしい。そしてうらやましい。いくら物を追求しても所詮刹那的なもの。悠久の歴史が積み上げてきたものとは重みが違う。大切に大切に、これからも伝承して欲しい。