右往左往

〇〇さんへ もう10年位前になるでしょうか。 薬剤師2人が急に辞め、娘夫婦もまだ帰っていなかったとき、2ヶ月の間、大げさではなく1日18時間くらい働きました。 今5人でやっていることを妻と2人でやったのですから当然でしょう。 その挙句が、パニックの発症と不明熱でした。車の運転はもちろん、薬局の前の僅か数メートルの道路を歩いて渡るのも怖かったのです。 時間をかけて、その後ほとんどの不都合(僕は自分では病気とは思っていません。頑張った挙句の苦しすぎる勲章でした)を克服しましたが、唯一残っていたのは瀬戸大橋を車で渡ることでした。 フェリーが大好きだから、残していても別に困らないのですが、心にひっかかるのがいやで克服したいと思っていました。 そこで最近挑戦しようと思って2度敢えて利用してみました。 きっかけは、僕の同級生で昔番長みたいだった人が買い物に来て話したとき、 瀬戸大橋を渡るのが怖くて時速40kmくらいしか出せないと言ったのです。 なんだ、あんな人でも怖いのかと思って、それでは僕も勇気を出して克服しようと思ったのです。 1度目は案の定かなり緊張して手に汗を握りました。 2度目はやはり慣れて、手に汗はかきませんでした。恐怖感もかなり減ったと思います。 大人は逃げることも挑戦することも自分の意思で決めることができます。 どちらもひょっとしたら大して差はないのかもしれません。 力んでどちらにしようかと悩むことでもないのかもしれません。 僕も完全復活(瀬戸大橋)まで10年かかりましたが得たものはたいしたものではなかったかもしれません。 みんなみんな悩みながら何とか暮らしているのではないですか? 一人ひとりの人生なんて、地球の営みからしたらゴミみたいなものでしょう。いや、塵かな? 力むほどの価値もないのかもしれませんよ。 当時僕自身のために考えた処方で、同じ悩みの人をかなりの確率で救っています。 貴女も右往左往しながら、結局は新しい貴女になっていくのではないですか。 ヤマト薬局