番外編

 昨日行われた東小学校における保健委員会の内容の番外編。  校医が議題から外れるのを断りながら、注意喚起をした。と言うのは、自身が数日前に牛窓神社の石段を上がっていたところ、マムシに遭遇したらしい。その医師の立派なところは、そのまま逃がしてしまえば危険だから、なんとか捕まえようとしたことだ。マムシは御存知の方も多いと思うが、目をそらすとその隙に逃げてしまう。だから医師はマムシとにらめっこをしながら、携帯電話で知り合いのお百姓さんに来てもらい、めでたく捕まえて駆除したらしい。このエピソードの中でなるほどなと思うところが二つある。ひとつは、マムシ退治に長けているお百姓を知っていたという人脈の広さ。もうひとつは、マムシ退治を頼まれて本当にやってくるお百姓の人のよさ。どちらが欠けても危険な生き物を野に放っていたのだから、たいしたものだ。さすがと言うほかはない。  仮にその場で遭遇したのが僕だったら、ないない尽くしだ。まず見つけたらすぐに逃げていただろう。逃げなかったとしても携帯電話を持っていないから、のろしを上げるために薪となる枯れ木を探さなければならない。それ以前の問題として、僕のために身の危険を冒してくれるような人は1人もいない。だから眞逆の結果が待ち受けることになる。持つべきものは携帯電話とマムシ取り名人。  田舎には、このように都会では決して問題にならないことが問題になることがある。マムシの毒は強烈だから見つけても手を出すなと言うのが校医の助言だったのだが、都会にはもっと強烈な毒を持った生き物がいると聞いている。なんでもマムシのような目をして、マムシのように低体温で、毒牙でいつも弱い生き物を狙っているらしい。へび科マムシ属の巻き添えとか、アホノミクスとかと言われている生き物らしい。