違和感

 僕が喉に違和感を覚えている頃、姪が急に咳き込みだした。わざわざ裏の駐車場に出て行って咳いていたからよほど辛かったのだろう。なんとなく通常経験しないような臭いがしていた。その臭いが喉を刺激していることは想像に難くない。僕は鈍いから喉の違和感ですんだのだろうが、敏感な姪は咳をしてその正体を気管から排出しようとしている。これが毒だったら僕のほうが早く逝っている。毒と察知して排出する能力が低いのだから。  違和感を感じて姪とその正体を突き止めるべく話をしていると娘がなにやら筒のようなものを持って入ってきた。1リットルくらいの黄色い大きな筒だが、その筒に面白い名前が書いてあった。「ヘビレス へびUターン」  第2陣のツバメがこともあろうに、外階段の天井に巣を作った。それを見つけた娘夫婦が、巣を何とか蛇から守ろうとして購入したのがその黄色い容器で蛇の忌避剤らしい。そんなものがあることを知らなかった。手に取ってみると、蛇のほかにトカゲなども大丈夫らしい。どの位の効果があるのか分からないが、もしこれがうたい文句のとおりなら有り難い。今まではカラスだけ相手にしていればよかったが、今回は蛇も考えに入れなければならない場所に巣を作っている。蛇から巣を守る術はさすがに知らなかったから、強力な助っ人だ。雨にも強いとしていたから、かなり強烈なのだろう。それが証拠に、撒いたばかりで既に大の大人が二人反応している。特に姪など苦しそうだ。そこで彼女に尋ねてみた「〇〇ちゃん、蛇年なの?」「はい、そうです」「どおりでよく効くと思った」