ツバメ第2弾

 毎朝不法侵入して周回ウォーキングをしているテニスコートに、1ヶ月前に小さな窪みができた。恐らくテニスコートの土の入れ替えを図っているのだろうが、何故か途中で頓挫している。そこに雨が降ったのが溜まり、今は池のようになっている。直径2メートルくらいの窪地に、直径1メートルくらいの池が出来ているから、小さな窪みの周囲はあたかも砂浜のようになっている。  僕がウォーキングする時間帯には、その池に20羽くらいのツバメが集まる。何をしているのか分からないが、周回する僕が近づけば一斉に飛び立ち、僕がそこから離れれば一斉に戻ってくる。数分毎にそこを通るから、数分ごとに同じ光景が繰り返されることになる。  1ヶ月近く繰り返されていることだから、もうそろそろ僕を覚えてくれてもいいのにと思う。だからツバメ達が一斉に飛び立つのは僕がどのくらい接近したときなのだろうと気をつけている。もしその距離が縮まるようであれば、ツバメが僕の存在を許容してくれ始めたことになる。あの小さな頭で僕を認めてくれたりしたら感激だ。本能以外に知恵が働くのか知らないが、同じ生き物として意思の疎通が出来たら面白いと想像してみる。  ツバメ達が何故執拗にその水溜りに集まってくるのかふと知りたくなって、今日しゃがみ込んで見てみた。すると砂浜の部分、実際には泥んこ遊びの現場みたいだが、そこに沢山のかわいらしい足跡がついていた。まるで判で押したように。ひょっとしたら水を飲んでいるのではなく、その泥を運んでいるのだろうかと思ったりもした。それが証拠に、ツバメ達が水際にいるのはほとんど見たことがない。結構はなれたところにいるのだ。雛が育つ時期だから巣を作るタイミングではないだろうし、ビフォーアフターに応募したわけでもないだろうに。無知過ぎて申し訳ないが、ツバメ第2段も、理科というより国語の時間になってしまった。