謝罪

 謝罪して欲しいとか、しなくていいとか、意見は割れていたみたいだが、オバマの傍にいるはれぼったい顔をした人間こそ謝罪しなければならない。原爆を落としたのはアメリカだが、落とされるようなことをした人間の孫が、どうして広島にオバマを案内できるのだ。いかにも平和を希求しているような態度で。(顔は下品だからそんな風には見えないが)  A級戦犯容疑者として収監され、数々の政治資金疑惑が取り沙汰されたおじいちゃんを信奉するところなど、北の将軍様そっくりだ。軍備を進めまたぞろ海外に出て行きたがるところなど北の将軍様そっくりだ。どうして広島の人たちは、そんな人間を断罪しないのだろう。どうしてこの国の人たちは「掃除大臣」として仰ぐのだろう。  この数日の出来事のためにどのくらいの金を使ったのだ。熊本で家を失った人たち全員に配れば、かなりの人が再び平穏な日常に帰ることが出来る。偶然活断層の上に住んでいたという理由だけで人生を破壊されてなお耐える人たちに、国などというものは無慈悲なものだ。彼らが資本家だったらすぐに国の金で援助するのに。  僕は何度も行ったことがあるが、原爆資料館で原爆のことなど想像できない。きれいに陳列され過ぎている遺品からは悲惨さは伝わってこない。外国の人間も沢山連れて行ったが、案の定ほとんど興味を示さなかった。原爆ドームや資料館に行くことが目的化しているだけなのだ。本当に戦争の悲惨さを知りたければ今実際に自分達が手を下しているシリアやアフガニスタンに行けばいい。片手で武器を消費しながら、もう一方の手で慰霊碑に献花する。そんなショーはうんざりだ。