和気閑谷学校

 今年は温かいから、例年なら丁度見頃の筈の和気閑谷学校の紅葉は、盛りではなかった。かの国の女性7人を案内したのだが、僕の失望を彼女達は底抜けの「自然大好き」でカバーしてくれた。  閑谷学校の駐車場から建物まで小さな団体と丁度一緒に歩くことになった。年配の方の団体だったのだが、彼女達が日本語で話していないのが聞こえたのか、1人のおじいさんが英語で、何処から来たか尋ねた。僕以上に英語が出来ない彼女達は、ニコッとしただけで答える事ができなかった。すると再び英語で中国人?と尋ねた。これは許せれる。再び彼女達はニコッで答えた。間違っていたことに気がついたのか、今度は「台湾人」と尋ねた。中国人と台湾人が人種的に違うのかどうか分からないが、確かに国は違う。まあこれは許せれる。そこで僕が〇〇人と代わりに答えた。アオザイを着た女性も混じっているのに、英語を使ってくる割には脇が甘い。すると僕を日本語が上手と褒めてくれた。これも許せれる。合っているのかどうか分からないが、僕は日本に住んでいると英語で答えると、再び英語で何年住んでいるのかと尋ねて来た。10歩譲って許す。63年日本に住んでいる。何故なら日本で生まれたからと英語で答えると、おじいさんやっと分かったらしくて、足早に建物の中に消えて行った。これも仕方ないから許す。  外国人を見たら何人であろうと英語で話しかけてしまうのは、僕を含めてこの国の人の特徴かもしれないが、どう見ても白人みたいな僕をかの国の人間と間違ったのは許さん。