和太鼓フェスタ夢幻

 和太鼓集団 夢幻の会 が素晴らしいのは、と言うか、そのコンサートが素晴らしいのは、如何に幼い子供達を舞台に上げても、要求されている水準を必ず満たしているってことだと思う。丸亀の市民会館、丸亀城、そして今日アルファアあなぶきホールでの「和太鼓フェスタ夢幻」と、今まで3回コンサートに足を運んだことになるが、一度も「こらえてちょうだい」の内容に遭遇したことがない。小学低学年と思しき子供達が、中学生や高校生、当然大人たちに混じって演奏しても、全く乱れることなく曲が完成する。目をつむって聴けば、そこに幼子が参加していることなど想像できないだろう。そこまで仕上げて舞台に立たせているから、こちらも無理な寛容の気持ちを表す必要が無いのだ。期待した演奏を享受して帰ればいい、ごく当たり前の欲求が満たされるのだ。  いつも飛び跳ねるように鐘を鳴らし、恐らく僕だけでなく多くの大人たちを慰めたり鼓舞したりしてくれるみ〇〇ちゃんは、なんと今回は立派に太鼓を叩いていた。こんなに1年で成長するんだと、嬉しくもあり、逆に、こんなに1年で衰えるんだと自分をみつめて哀しくもある。一つの演奏会場で恐らく何百の想いが交錯するのだろう。  それにしてもこの若き、いや幼き集団の個々の才能はうらやましい限りだ。常にベースのリズムを刻んでいる奥〇さんや、大人以上の腕前の藤〇さんや福〇さんのテクニックや笑顔、そしてソロを務める石〇君のクールさ、そして福〇君や平〇君がいるからこその楽曲の重厚さは、希望そのものだ。  志多らの3人の熱情が噴出す演奏は勿論だが、僕は夢幻の会の「宇宙の石」と言う曲が大好きだ。打ち手がソロで演奏する部分が多くて、そしてその部分は打ち手が持っている最高のパフォーマンスが行われるので、いつも楽しみにしている。今まで2回はみ〇〇ちゃんの鐘を打つ姿に感動したけれど、今回は後ろのほうで太鼓を打ちながら、踊っていたのがとても可愛かった。僕は最初気がつかなかったのだが、一緒にコンサートに行ったかの国の次女、三女が教えてくれた。あまりにもかわいい仕草だったので、やはり多くの人の目に留まるのだと思った。  気が早いが、来年の10月16日に「2016和太鼓フェスタ夢幻」が開催される。来年は志多らもフルメンバーで来てくれるらしいから、今から楽しみだ。今日は祝日だから4人しか連れて行けなかったが、来年は日曜日だから10人は連れて行ける。来年のコンサートまで元気で頑張るぞと会場で必ず思う。和太鼓の演奏を聴くことは、僕にとって日常を充実させる唯一のモチベーションなのかもしれない。道理で次女が言っていた「オトウサン タイコキクトキ イツモワカイ」