場所

 もう数年、牛窓に住んでいる家族が、訳あって今借りている家を出なければならなくなった。そこで又牛窓に住みたいから町内で探しているらしい。唯一つ条件があるみたいで、それは譲れないみたいだ。その条件を聞いて僕は思いを巡らしてみたが、牛窓には不釣合いな条件だと思った。むしろ大都会のほうがその条件に見合うものは多いと思う。  例えば、国会議事堂あたりに目星をつけるのはどうだろう。多数を占めた与党のアホ議員たちが、アホノミクスのそのまた下を行くような低落振りで、今度は是非落として、国会の膿を出さなければならない。  例えばオリンピックの招致で儲けるだけ儲けて、エンブレムも競技場もその失敗の責任を負わないやつらの組織に巣食っている膿を出さなければならない。うまい汁を吸うやつはどこかでつながっているのだ。  例えば、悔いが残らないのが不思議な杭打ちで、手を抜くような仕事で巨万の利益を上げる旭化成の膿は出さなければならない。早く走ればいいのはマラソンで工期ではない。  例えば沖縄はどうだろう。アメリカにぺこぺこするようなアホノミクスが、本当にこの国の人たちを大切にする気など全く無い。お友達同士でいい目をしているアメリカの太鼓もちの膿を出し切らなければならない。  例えば原発に賛成している奴等はどうだろう。福島で当然監獄に入っているはずなのに、今だ大手を振って歩いている。人の命も尊ばない集団の膿を出し切らねばならない。  「なぬ!条件って、膿が見える場所ではないの?海が見える場所なの?」