加速

 「骨粗しょう症の予防と治療ガイドライン2015年版」と言う、3年ぶりの改定版が出た。今回の売りは、診断基準がとてもシンプルになったことで、「骨粗しょう症治療対象者が増えることも期待される」「現在、骨粗しょう症患者は1300万人と推定されるが、治療を受けているのはその2割程度」「骨密度測定装置を持たない診療所でも、新たな診断基準に従えば、骨粗しょう症を診断し、薬物治療を開始できる。今回の改訂は潜在患者の拾い上げにつながることが期待されている。」「薬局でも骨粗しょう症薬の処方箋を応需する機会が増えそうだ」  さすが日経が作る薬局薬剤師のための情報誌だ。ここまで言って委員会並の本音が出ている。専門医でなくても簡単に処方箋が書けて、薬が患者と言う消費者に渡り、おまけにその消費を増やすことが出来て、薬局がおこぼれをちょうだいしたら万々歳って言う本音が書かれている。薬剤師会も日経もアホノミクスのおこぼれ頂戴グループだから、こんなあからさまな損得勘定くらい出してもなんら痛手をこうむることはないと高をくくっているのだろう。安全保障も医療も国民は安く見られたものだ。製薬会社や医師会や薬剤師会などに、患者のためなどと言う発想なんかないことが分かる。そもそも骨粗しょう症なんて、肉と小魚を食っているほうがよほど予防や治療になる。不自然な物質を有難がって体に入れるほうが怖い。  どの分野にも少数派といわれる人たちがいて、息苦しい中でも主張を変えない人たちがいる。そうした人達の声に耳を傾けて、不正義を見抜く力を日々訓練したほうがいい。今この国は不正義の極みに向かって加速している。いつも言うが、貧乏人が金持ち達の奴隷となって、金持ちのために命を捨てらされる。そんな哀れな人生を歩んでいいのか。せめてプライドだけはあいつらより勝って欲しい。