神主

 薬剤師が、ある方の漢方相談を受けた。恐らく2週間もあれば何とか効果を出せると思う。僕は薬剤師から処方の相談を受けただけだが、漢方の相談を受けたいきさつを教えてくれた。  ある有名?な漢方を標榜している薬局で漢方薬と健康食品を勧められて飲んでいたらしいが、効果は全くなかったらしい。もっとも効果が無かったから薬剤師に(ヤマト薬局に)相談してくれたのだろうが、その患者さんの嘆きが面白かった。漢方薬の2万円はともかく、それにあわせて飲むように言われた健康食品がとても高くて「泣く泣く」買って飲んだらしい。ところがと言うか案の定と言うか効果が無いことを訴えると、最後はなぜか神主さんを紹介されたらしい。嘘のような本当の話。 (前の薬局が出している試行錯誤の漢方薬群を見ると、精神障害と思っているらしいが、僕に言わせれば大人の起立性調節障害だ)  僕は有名と言うのをあまり信じない。ほとんど自作自演だから。人の目に触れるところに極力露出を増やし、アホコミを利用するようなところに、本当に患者さんを治してあげようと思う人は少ないと思う。「あわよくば何々」と言うのが見え透いている。  僕は知らなかったのだが、インターネットを検索していて、上位に出てくるところは、お金を払ってそうしてもらっているらしい。僕の以前のOCNのホームページが会社の都合で打ち切られて、ゼロからまた始めなければいけないのだが、そのことをインターネットに詳しい人に相談すると、お金を払ったらまた過敏性腸症候群のトップページに復活しますよと言われた。僕は何年もの間、過敏性腸症候群の患者さんのことを書き続けていたから上位にあっただけで、そんなことをしなくてもお金をその種のサービス会社に払えばあっと言う間にできるのだそうだ。なるほど、だから本当に治す事ができるのかと勘ぐりたくなるようなところも名を連ねているのだ。  せっかく田舎でのんびりと善良な人たちを相手に仕事をさせてもらっているのだから、余裕のある時間とスタッフで、身の丈にあった数の人に喜んでもらえればと思っている。(2年間の市民病院の調剤が若夫婦には過酷だった)30年以上も尊敬する先生に漢方について教えてもらっているから、治す力は恐らく歳月に比例して身についた。しかし、これから一番難しいのは「辞め時」だと思う。そのことにふと頭が行きしばし時間が止まることがある。そうだ、それこそ神主さんに相談に行こう。