薬局に入ってくる瞬間にずいぶんと回復している事が分かった。2週間前、薬局に入ってくる瞬間に心を病んでいる事が分かったのとは対称的だ。今日もこうした心を病んだ人が、数人来た。僕が決して標榜しているわけではないけれど、そうした人が多い。  その中で実際に心療内科の薬を飲んでいる人は1人だけだ。後の人は、漢方薬のおかげで必要に無くなった人、元から拒否して漢方薬しか口にしない人だ。僕はこの種のトラブルも漢方薬が得意な分野だと思っている。ハーブと言い変えてもいほどの漢方薬がたくさんあって、人を心地よくさせ、ストレスから解放してくれる。そして何より漢方薬が優れているのは、漢方が排泄の医学と言われるように、大便や小便を良く出すのと同じように、ストレスさえも体外に出してくれるのではないかと思われる反応だ。身も心も軽くなると言える。おそらく何千年もかけて、壮大な人体実験のおかげで生き残った処方なのだ。  とってつけたような理論で使われる安定剤や抗鬱薬より、出来れば自然の恵みで治ったほうがいい。治るという言葉が使えるような経験を僕はいくつもしている。単に症状をマスクして、なんとなく無気力で生きていくのは本人は不本意だろう。窒息しながら生きていくことを強いられている現代人が、悲鳴を上げているのが心のトラブルだ。それを強いてわが懐を肥やしている人間達にこそ、化学薬品の最終処分場になってもらいたい。