痴呆の薬

 こんな情報が、一般の方に入ったら、果たして自分で飲むだろうか。又、家族に飲ませるだろうか。今最も使われている認知症の2種類の薬が、ほとんど効かないばかりか、副作用のほうが大きいと言っているのだ。  実際に処方箋で飲んでいる患者さんで、何かが改善されたと言う話を聞いたことがない。報告書で言っているように、飲み始めた一瞬は少しくらいよさそうな反応を訴える人もいたが、その後すぐに何の良い反応も口に出さなくなる。報告書で言っているように、ほんの少々何かが変化するかもしれないがそれは一時の話だ。何年、いや10年、20年にわたって進行する認知症を、3ヶ月くらい何かが良かったなどと言うのは、製薬会社の利益のためにこじつけで効果を作り出しているようなものだ。制癌剤の試験で、最初の頃の効果で判断するのと良く似ている。強力な毒性で攻めればがん細胞も死ぬが、そのうち人間のほうが攻撃され続けて生命が持たなくなる。  痴呆の薬がいったいどのくらい売れているのか知らないが、恐らく何百億、いや何千億に既に到達しているのか。役人が将来天下るところの会社にいい目をさせるのはこの世界では周知の事実だ。僕ら庶民の税金は、大企業に収めているようなものだ。どうせ効かないなら、飲まさないのがいい。薬の最終処分場に痴呆老人をさせてはいけない。

 「認知症は治癒が望めない疾患であり、治癒または回復に向かわせる治療法は存在しない。現在の治療は、認知または機能的アウトカムの改善を目的としたものである。米国・ブラウン大学のJacob S. Buckley氏らは、認知症および軽度認知障害(MCI)の治療に関する研究をレビューし、治療のベネフィットとリスクを評価した。その結果、コリンエステラーゼ阻害薬(ChEI)によるベネフィットは小さく、経過とともに効果が減弱すること、用量依存的に有害事象が増加すること、またメマンチン単剤療法はベネフィット、リスクともに小さいことが明らかになったと報告した。Drugs & Aging誌オンライン版2015年5月5日号の掲載報告。