お世辞

 お世辞かもしれないが、中四国地域を回っている漢方問屋の専務さんが「私が知っている限りでは先生のところが一番安くて効く漢方薬を作っておられます」と言ってくれた。どうもどこの薬局に行っても同じことを言っているような気もするのだが、褒められて悪い気はしない。これが中四国近畿地方と言ったら絶対信じないが、近畿地方を抜かせてくれたので、少しは信憑性がある。と言うのは、近畿地方には僕を100人並べてもかなわない先生がおられる。僕が属している勉強会のグループの全員がいつまでも謙虚でおれる理由なのだが。  「安くて効く」のどちらに彼は重点を置いて言ったのか分からないが、後者の「効く」の部分は明らかに僕らの先生のおかげで、前者の「安くて」の部分は、僕の立地が田舎にあることが最も貢献している。農業、漁業、リゾートの3本柱の田舎だが、いわゆるお金を出して遊ぶところなどないから、生活費がとても安くて済むのだ。今日も大きなキャベツ3個、大根3本、キウイ20個、白菜3個頂いた。とても食べきれないから3軒で分けた。毎日鍋物をしても追いつかないくらいの量で、肉か牡蠣か魚か、具を変えるだけで毎日おいしくいただける。  僕の漢方薬を飲んでくれる人たちもごくごく普通の人たちで、めったにお金持ちなどいないから、牛窓値段にしておけば、多くの人に漢方薬も選択肢に入れてもらえる。漢方薬でしか改善しない人にはやはり平等に飲めるようにしておかなければならない。  意識したことがなかったので言われて初めて気が付いたが、よく考えてみれば安くも効くも僕にとってはとても大切なことなのだ。どちらの評価も得なければ、若造の実験台になってくれた牛窓の人や、効く漢方を教えてくださった先生に失礼この上ないから。  あれがお世辞なら「おこるで~」