言葉

 いつか偶然、マララさんが国連で演説しているのをユーチューブで見た。幼いのにしっかりしているなあと感激して数回繰り返して見た。今回ノーベル平和賞を与えられたのも納得がいく。命を懸けて教育の重要性を訴えたのだから、命もかけずに命をかけさすどこかの国の政治屋どもとは天地の差だ。受賞のコメントの端々に知性と謙虚と勇気がのぞく。どこかの国の政治屋どもが身につけていないものばかりだ。  連休前だからだろうか、今日は漢方薬を1日中作っていた。もう閉店間際になって一人のお百姓さんが買い物に来た。先週も台風の心配をし、又明日あさってに大型の台風が接近する。当然台風の話題になった。先週津山に和太鼓を聴きに行く予定だったが、野外コンサートだったため、天気予報を信じて出かけるのを止めた。ところが岡山でもほとんど雨が降らずに、結局中止にはならなかったみたいだ。この1週間ずっと後悔している。中止を受け入れるには津山は遠いので、石橋を叩いて、結局渡らなかったのが裏目に出た。今回は同じ轍を踏まないように勇気を持って行動しようと思うと、そのお百姓さんに話した。すると彼はこともなく言った。「先週は雲が飛んでいなかったじゃろう。台風が来ん(来ない)ことは分かるじゃろう」僕はその雲が飛ぶと言う表現がとても格好良く思えた。思わず言ってしまった。「かっこうええなあ」と。代々受け継がれた知恵なのだろうが「雲が飛ぶ」はなんとなく分かるような気がした。低い雲が確かに飛んでいく。  朝にはマララさんのすばらしい言葉を聞き、夕方にはアララさんのすばらしい言葉を聞いた。どちらも一つ一つの言葉が作品のようだった。