上位

 28%、その数字を見てなるほどなと思った。  東京など一部の地域の人を除いて、今年が如何に晴れ渡らなかった夏だという認識は共通していると思う。関東の相変わらずの最高気温合戦も、今年はマスコミで見かけることが少なかった。と言うことは東京辺りでも、晴れ渡った日は少なかったのか。  朝のニュースで、今年の日照時間が平年に比べてどのくらい少なくなったかを数字で表していた。それによると中国地方がそろって上位を独占していたように思えたが、それは実感どおりだ。この前災害にあった広島もかなりの上位だが、晴れの国岡山も今年は天候の異変にいかんともしがたく、例年の28%しか陽が照らなかったらしい。ひょっとしたら岡山県は減少率日本一だったかもしれない。  暑い暑いと顔を合わせる度に挨拶することもなかったが、体調が崩れる人も少なかったが、お日様も見ない、星も見ない日々は珍しかった。いわば風情というものがなくなっていた。一つの季節を消したようなものだ。恐らく自然相手の仕事にはかなりの悪影響が出ると思う。肉体的には、かなり楽に過ごせた人が多いと思うが、なぜかしら今年の天候を喜ぶ人はいない。きっと不自然の向こうに何かがうごめいているのが見えるからだろう・