気分転換

 気分転換で外に出てみると、日差しがまぶしくて、青い空に飛行機雲が一本の筋を引き、見上げる僕は一瞬のうちに汗ばむ。夕方には西の空が燃え、まるで絵画のようだ。当たり前の夏が、こんなに貴重かと思わされる。ところが夜になると、ほんの数えるくらいの星しか見えない。上空を又、雲が覆っているのだ。あまり経験のない、夏らしくない夏だ。  地球からしたらこのような天候異変は蚊にかまれたくらいの出来事でしかないのだろう。ところが人間ときたら慌てふためいて、50年に一度だなんて毎日のように放送している。ほんの気まぐれに、季節まで塗り替えられる地球を前にして無力感に襲われる。いくら力んでも所詮土にしか帰っていけないのだから、悪事を嫌い、善良に生きるべきだと誓う。