窒息

 県内でも玉野市と一二を争う温暖な牛窓でも、さすがに昨日からの冷え込みで今朝は氷が張っていた。日曜日だから朝のウォーキングも2時間遅れだったのだが、それでもしっかり氷が張っていて、水たまりに出来ている氷の上を歩いては、割れる音や感触を楽しんだ。  ただ凍り付いているのは牛窓だけではない。国中や、沖縄ではもっと人の心が凍り付いたに違いない。何でもありの政治が、いつか糾弾されることもなければ、政治家が辞めた後でも糾弾されることがなければ、いつまでも強者の都合で全てが動いてしまう。そうでない時代を未だ見たことがないが、ますます遠ざかっていることだけは確かだ。科学が発達しても、多くの人はまだ精神的に小作なのだ。それを素直に受け入れているから、未だ江戸時代か。  テレビも新聞も雑誌も、醜い顔のオンパレードだ。正義感に満ちたり、慈愛に富んだり、知性の塊だったり、一目見て分かるような顔が出てこない。悪と痴呆をまぜたような顔ばかりだ。そうした奴らに家畜のようにこき使われて、氷の割れ目からやっと息をしていることに気がつかない。僕の体重で割れるような牛窓の朝の氷ならいいが、そのうちきっと誰にも割ることが出来ない氷でみんな窒息させられてしまうだろう。巻き添えなんか、まっぴらだ。