セカンドオピニオン

 いつかはしなければと思っていたが、最近とみに漢方薬の商業的な使われ方が目立ってきたので、ついに決心した。本当はこれ以上パソコンに向かう時間を増やしたくないのだが、余りにも無知か、悪意か分からないような例を沢山耳にするようになって、今日から始めることにした。今日だって、風邪をひいて5日も経っているのに、そして症状は咳だけなのに、まだ葛根湯を勧められて飲んでいる人が来た。葛根湯が適応する症状は本当の初期の初期だから、初日くらいのものだろう。それを消費させるために風邪薬と称して、わざわざ瓶に入れて飲ませる。高額になるし、環境にもよくない。  生薬資源が無駄に使われていると想像できる事例は次から次に耳にする。それが少なくとも僕の知識より劣る使われ方をしていたら、軌道修正してもらって生薬を有効に使って欲しいと思う。この考えは恐らく長い間、ひっそりと漢方薬で多くの人をお世話してきた昔ながらの薬局共通の想いだと思う。 漢方問屋の専務さんが、僕のホームページにセカンドオピニオンと言うコーナーを作ってくれた。

                      漢方薬治療のセカンドオピニオンコーナー

日常の業務の中で一体どのくらいの時間を割いてよい返事が書けるか分かりませんが、最近急激に進行している生漢原料の枯渇、そのせいで高騰する漢方薬市場の現状を目の当たりにするにつけて、将来も漢方薬がごく普通の庶民にも利用できるものであり続けることが出来るのか僕の中で不安が増大しています。病院やドラッグストアで手に入れた漢方薬が一体正しくて、以後も飲み続けるべきか、あるいは的がはずれているものを服用してしまっているのか、判断のお手伝いをして、効果があるもの、期待できるものだけを服用して、出来るだけ大切な資源を後の人にまで残すことに多少の貢献が出来たらと思います。薬局を開いて35年、漢方薬を勉強して25年、病院の処方箋を調剤し始めて10数年。その間に恐らく延べ30万人くらいの方と接することが出来ました。そのおかげでたいていのことは分かってしまうのです。もう少し勇気を持って治療を継続したほうがいい人、早く他の方法を探したらいい人、手に取るように分かります。  一言で言うなら、自然の限りある恵を頂くなら効果がなければ申し訳ないと言うことです。僕らの世代で「食い尽くす」なんて許されません。後の世の人も又同じように自然生薬の恩恵を受ける権利があるのです。資本家や製薬企業の貪欲の手先にはなりたくないのです。