進路

 真面目な人なんだろうなと思う。僕なら不調が改善されたら真っ先にパチンコ屋に走り、綺麗なトイレを借りる、いやいやパチンコのバネを弾くのだが、その女性は患者さんの指導により集中すると言った。 でも、同じ職業の人のお役に立ててよかった。調剤薬局で働く薬剤師だから、かなりの人と1日接していると思う。体調や心調が悪ければ患者さんの指導も十分なことは出来ない。不調では笑顔も出ないだろう。  医療はいたってマンツーマンの職業だ。芸術家や芸能人、スポーツ選手、教師、政治家など多くの対象者を相手にする職業も多いが、医療で現場を担っている人達は個人が相手だ。だから生産性はいたって低い。人の命や健康の価値が高いから、それはそれでいいのだろうが、なんとなくマイナーな感じがするのは僕だけだろうか。だから僕は同じ薬剤師や医師や看護師さんの漢方相談の時はすこぶる頑張る。その方達が元気だったら、その人達が又多くの人のお役に立てれるから。  パチプロにもなれず、ナベプロにも入れず、田舎にこもって不釣り合いだと思っていた薬剤師を結構楽しんでやって来た。マンツーマンかゾーンディフェンスかは中学校の体育の授業で学んだが、薬剤師が体育会系だとは思ってもいなかった。もっともひ弱な僕はその道で脱落したから、すぐにお笑い系に進路を変更したが。でも、おねえ系にしてなくてよかった。