久しぶりに来られたその方は、いつもの杖を使っていなかったので、「杖が要らなくなったんですか、良かったですね」と僕は声をかけた。僕より数歳年下だと思うけれど、彼は杖が要らなくなったのは義足のせいだと言った。ズボンの上からはどこから切断したのか分からない。僕はとっさに失礼なことを言ったことを謝った。しかし彼はいたって自然に僕の謝罪を受け入れてくれた。その後の会話で、足に腫瘍があって常に炎症を起こしていて、杖をつかなければ歩けなかった事を教えてくれた。それが何かのきっかけで悪化し切断を余儀なくされたらしい。しかし、久しぶりに見る彼の顔はふっくらとしていて、見間違いそうだった。なんでも、切断してからは、勿論足の炎症に悩まされることがなくなり、苦痛が減ったそうだ。痛みがないだけでこんなに表情が違うのかと驚いた。  この時間もある若いお母さんが、朝からの嘔吐に苦しんでいる。繰り返す吐き気に襲われ、緑色の吐しゃ物らしい。しんどすぎて水も飲めないと電話で言っていたが、こちらの援助を拒んでいる。遠慮か何か分からないが、出来れば頼って欲しかった。自分1人で頑張れないことは一杯ある。あまり力まずに自然に他人の救いを受け入れてもいいと思うのだが。僕のブログを毎回必ず読んでくれているらしいから、この場を借りて「がんばるなよ」